大人になってから英語の勉強をやり直そうとする人は多いです。
海外駐在を命じられた、TOEICを受けたい、英会話に挑戦してみたい、等々、勉強を始めようとするきっかけや理由は様々だと思います。
他方で次のような不安や疑問がでてくるかもしれません。
- 学生以来、全く英語には触れていないが、大丈夫か
- 自分は英語は苦手で中学英語すら怪しい
- 何から手をつけてよいかわからない
- 単語や文法はある程度分かるがリーディングやリスニングになるとお手上げ
など。
つまり、状況や不安なども人によって千差万別です。
他方で「大人のやり直し英語」というと、TOEIC対策とか英会話スクール等が浮かびます。
そこでは、何というか受験英語とは全く別の勉強が存在するような気すらします。
ですが、当然ながら英語の基本は、私たちが学生の頃にやっていたものと変わりません。
「大人の英語」という特殊な英語があるわけではないのです(Adult English なんてあったら確かに面白いですが…)。
ですので「やり直し英語」だからこそ、その前段階の基本が大切になってきます。
心機一転でゼロから取り組んだ方が、後の伸びしろが全く違ってくることすらあり得ます。
この記事では、こうした点を踏まえ、「大人のやり直し英語」の勉強法を教材とともに完全解説していきます。
自信をもって英語の勉強を独学していけるはずです。
大人が英語のやり直しを始める前に知っておきたい事
最初に、勉強を始める前に知っておきたい事項を挙げておきます。
- 勉強の目標を明確にする
- 英語を使う対象を明確にする
- 中学英語を軽視しない
まずは皆様に質問です!
あなたは何のために英語を勉強するのですか?
TOEIC等の資格取得のための勉強なのか、ビジネスに対応するためなのか、はたまた洋画鑑賞等の趣味のためなのか
確かに目標に応じて具体的な対策が変わってくるというのもありますが、それ以前にモチベーションを維持するためにも大切になってきます。
語学は表面的なイメージとは裏腹に、習得にはとても根気が要るものです。
これが明確でないと、途中で「オレ、一体何やってるんだろう?」なんてことになりかねません。
ちなみに上でも申し上げましたが、筆者は特許の仕事をしてきた関係上、それに関連する英語が中心でした。
内容的には、大学受験までの英語の基礎 プラス 専門用語・特有の言い回しなど。
目指す目標や取り組むべきタスクが明確なので、モチベーションはもちろん勉強自体がブレません。
このことはスピーキングやリスニングなどの会話でも同じです。
英語はコミュニケーションの手段であり、本来、目標そのものではありません。
言い換えれば、英語を通じて何を伝えたいのか、何を知りたいのか、といった内容が大切ということです。
目標を明確にすることにもつながります。
そこで、英語を勉強する目標がハッキリしない人は、英語それ自体から一旦離れて、あなたが興味を持っている、あるいはあなたが詳しいジャンルを思い浮かべてみましょう。
例えば、好きな物語や学問分野、詳しい仕事の内容などです。
これについての英語の文献を読める、あるいは英語で内容を伝えられるようになることを目標にしてみます。
すでに内容は分かっていますので、英語で躓く(挫折する)可能性は低くなりますし、
興味があるので、フレーズやテクニカルターム、そして言い回しなどが頭に入りやすくなるでしょう。
また、一冊完読した時などは達成感が得られるとともに、次のステップに無性に進みたくなるものです。
目標が何にせよ、まずは基礎ができていることが大前提です。
特に、英語学習に相当のブランクがある場合は、中学英語から確認しましょう。
大人の英語なる特殊な勉強があるわけではないのは、冒頭で述べた通りですし、
いきなりTOEIC等の勉強をしても点数に結びつかず、挫折の原因となってしまいます。
注意したいのは、英語自体の難易度と内容的・技能的な難しさを混同しないこと。
例えば、これも筆者が扱ってきた専門の一つで、連結会計(consolidated accounting)という分野があるのですが、
英語自体は基本的である一方、英語力のある方でも内容的には???だったりします。
また、スピーキングやリスニングなどの会話面については、中学レベルの英語でも技能としては困難を感じる方が多いでしょう。
逆に言えば、内容的、技能的には難しくても、土台は同じということです。
ですので、目標や分野に関わらず、中学英語は大切ですし、
その後の更なる進歩を考えれば、高校基礎レベルまでは一通り学習しておきたいものです。
大人のやり直し英語の勉強法①:全くのゼロからやり直す
中学英語を完璧にする
中学英語は英単語と英文法の大切な基礎が詰まっています。
しかも、会話を中心とする実用英語の大半がこれで何とかなってしまうのです。
一般的なビジネスの会話でも、英語自体の難易度は、このレベルと大きく変わりません。
あとはビジネスシーンなどに即した定型パターンを応用していきます。
ですので、英語のやり直しに取り組もうとする人は、この時期が絶好のチャンスです。
そのやり直しの具体的な勉強法としては、一冊の教材や参考書を繰り返し学習します。
特に、教材中の例文を自分で繰り返し音読してみるのです。
日本語を介さなくても内容をイメージできるまで練習してみてください。
CD等の音声教材がついていれば、聞き取りの練習(リスニング)をするとともに、シャドーイングをしていきます(後述)。
◆改訂版 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本
かんき出版 濱崎 潤之輔 (著)
英語の基礎の基礎から勉強するための参考書です。特に文法の基礎について網羅されており、初心者向けの教材の代表格です。
中学英語から学び直したい全ての人に有用であり、社会人の英語のやり直し学習にも活用できると思います。
分量も多くなく、手ごろです。
音声DL可。
◆中学 英語を もう一度ひとつひとつわかりやすく。
学研プラス 山田 暢彦 (監修)
こちらもやり直し学習の定番です。
中学生よりも大学受験生や社会人の方が利用しているのではないでしょうか。
見開きで、文法解説と練習問題がセットになっています。
また、分量が300ページ以上と厚く見えますが、イラストを交えてわかりやすく解説されていますので取り組みやすいと思います。
CDが付属しているうえ、解説動画を無料で見れます。
発音をマスターする
先ほど、中学英語の復習では教材や参考書を音読するように言いました。
ここではCD等の音声を真似て自分で音読や発音してみることが大切です。
ですが、それには大切な前提があります。
それは発音記号を基に正確に自分で発音できること。スピーキングはもちろんリスニングにも関係します。
自分で発音できない音は聞き取れないからです。
さらには、このリスニング力によってリーディングのスピードが全く違ってきます。
つまり英語の実践のための基本中の基本、それが発音をマスターすることなのです。
◆英語耳 発音ができるとリスニングができる
KADOKAWA 松澤 喜好 (著)
自分で発音することを通じて、リスニング力を磨こうとする参考書です。
発音の反復練習から始まり、英語のメロディーやリズムになじんでいきます。
そのため、歌なども取り入れた、ユニークな作りになっています。
注意すべきは、本書は発音重視の訓練書なので、読んだだけでは意味がありません。
実際に繰り返し口を動かして練習する必要があります。
最初は(うまく口が回らなかったりして)大変ですが、前半だけでも取り組んでみてください。
社会人、学生を問わず、非常に活用されています。
語彙の基盤を固める
英単語は英語の基本的な構成要素です。
これを知らなければ始まりません。
そこで、先ずは基本的な中学レベルの英単語のマスターです。
具体的には、先の中学英語の参考書の中にでてくる単語を覚えると良いでしょう。
また、中学英単語はそれほど多くはないので、英単語帳で一気にストックすることも一考です。
なお、単語学習は繰り返しが特に大切です。
通勤時間等のスキマ時間を利用して繰り返し復習します(発音記号を見ながら発音練習もすること)。
◆キクタン【中学英単語】高校入試レベル
アルク
1日16語づつ8週間で896語暗記できる作りになっています(その他も含め合計で約1350語)。
例文やフレーズがついていていますので、日常生活で使える英単語を効率的に覚えられるでしょう。
大人のやり直し学習でも人気の定番もので、広く活用されています。
CD等。
大人のやり直し英語の勉強法②:高校基礎レベルから復習する
実用英語の多くは中学レベルの英語をベースにしています。
ですがリーディングやリスニングでは、本格的な内容のあるもの(例えば時事ニュースや論説調のものなど)が多く、さすがに中学英語というわけにはいきません。
各自の目標にもよりますが、いずれにしても高校基礎レベルまでは押さえておきたいものです。
社会人向けの実践的な勉強も、この高校レベルの内容が前提となっています。
英単語の強化
英単語の勉強法には、具体的な英文の中でストックしていくやり方と英単語帳の中で集中的に覚えていくやり方があります。
また、どのような単語をどれだけ覚えるかもポイントです。
興味のある分野や仕事分野の単語を中心に覚えてもいいし、TOEIC用の単語を勉強していってもよいでしょう。
ただし、高校基礎レベルのものは、分野や試験にかかわらず必要になりますので、先ずはこれを習得することをお勧めします。
英検準1級やTOEICでいえば、中学英語とあわせて先ずは5~6000語は欲しいところです。
難関大学の受験レベルに相当する単語数です。
◆DUO 3.0
アイシーピー 鈴木 陽一 (著)
非常に有名な単語帳で、大学受験生以外の社会人の利用も多いです。
英単語1600語と熟語1000語からできています。
一見少なそうですが、派生語や関連語、さらに反対語等も広く収録しており網羅性という点とても優れています(これらすべて含めると総数7000語以上。辞書的にも使えます)。
最大の特徴は、560の例文が掲載されており、しかもそれが一連のストーリーとなっていること(この例文をCDを使って暗記すれば、リスニング・スピーキングの土台も出来上がります)。
英文法等の基礎力がしっかりしていないと厳しいですが、基礎がでていれば英検で言えば準1級は十分狙えます。
CDは別売り。
◆TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
朝日新聞出版 TEX加藤 (著)
TOEIC対策の鉄板単語帳です(TOEIC英単語ならこれ一択といってよい)。
TOEICを目標に英語の勉強のやり直しをされるのであれば、これ一本に絞っても良いかと思います。
レベル別に収録されており、最終的には900点レベルまで対応可能となっています。
全単語、フレーズの無料音声付。
英文法知識の強化
簡単にまとめると次のような感じです。
大きく分けて、品詞ごとの単語の使い方・イディオム系、と構造・構文系に分けられます。
- 動詞、形容詞、副詞、前置詞、名詞、代名詞等の語法
- 動詞の周辺:時制、態、助動詞、仮定法、不定詞、動名詞、分詞の扱い
- 疑問文、否定文、倒置、強調等の構造系
- 比較、関係詞、接続詞等
基本的にはこれらの知識をインプットしていけばよいでしょう。
◆大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】
ナガセ 大岩 秀樹 (著)
中学生用のもの以外で、最もベーシックな参考書であり、それこそ中学レベルからの復習になります。
社会人のやり直し用としても広く利用されています。
英語は苦手、文法は嫌い、という方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
結構分量が多いですが(200P以上)、会話調で解説されており、読みやすいと思います。
◆一億人の英文法
大西 泰斗 他(著)
話すことを念頭に置いて、どうしてそういう表現をするのか等、表現の心理的・感情的な側面まで踏み込んだ解説がされています。
試験対策ではなく実用面重視といえるでしょう。
分量が600ページ以上ありますが、解説も口語調で親しみやすく、あまり分量を感じさせません。
受験勉強用の伝統的な参考書とは正反対のつくりになっています。
従来の文法書にうんざりしている人や挫折して英語嫌いになってしまった人には取っつきやすいでしょう。
◆総合英語 Evergreen
川崎 芳人 他(著)
最も完成度の高い正統な英文法のテキストです。先ほどの「一億人の英文法」とは正反対のつくりです。
基本的事項から発展的な内容まで体系的に網羅されています。
インプット用の英文法参考書の中では、一番充実しているといえましょう。
受験参考書の定番ですが、社会人の英語のやり直し学習にももちろん活用できます。
ただし分量が600ページ以上と多いため、隅から隅まで読もうとするのはキツイかもしれません。
◆英文法TRY AGAIN!(←個人的にオススメです!)
山口 俊治(著)
社会人のやり直し向けの教材です。
500ページ以上の分量ですが、字も大きめで読みやすいです(紙面ビッシリ感は殆どない)。
本格的な英文法の参考書をゼロから読み直そうとするのは結構かったるく、しんどいもの。
これに対し、本書は英文法の核心部分及び学習者が苦手とする箇所にズバリ迫っており、まさに痒いところに手が届く逸品です(ただし体系的かつ網羅的には書かれていませんのでご注意を)。
「ヘェーそうだったのか!」という発見や驚きも少なくないでしょう。
そんなこんなで退屈することなくあっという間に読めてしまう感じです。
ですので1週間ぐらいで集中して取り組むことをお勧めします。
とにかく一押し!
英文解釈の確認
英文解釈については注意したいところです。
確かに、今日では昔のような難解な英文はあまり見かけませんし、大人の英語の勉強法として英文解釈は強調されないかもしれません。
ですが、TOEIC対策を含め本格的な英語学習に取り組むのであれば、この英文解釈の勉強は是非やっておくことをお勧めします。
社会人向けの教材の多くが、単語の意味と日本語訳しか載っていないからです(英文解釈ができることが前提となっています)。
英文解釈で学ぶ主要項目は次の通りです。
- 基本5文型(注1)
- 修飾句の把握(注2)
- 接続関係:従属接続と等位接続(注3)
- 構文各論:強調構文、倒置構文、動名詞、比較、同格、比較、関係詞etc
(注1)自動詞と他動詞の区分に注意
(注2)目的語や修飾句が、動詞や被修飾語から離れている場合は特に注意
(注3)等位接続(並列関係)では、何と何が結ばれているかを把握すること
ここでは、最低限の英文解釈の基礎を学ぶための教材を紹介しておきます(英文解釈の教材は、基本的に大学受験用の参考書が有用です)。
◆英文読解入門基本はここだ!
西 きょうじ (著)
英文解釈初心者向けの最もベーシックな参考書です。英文一つ一つが短めで、英文法の学習から英文解釈への勉強にスムーズに進めると思います。
基本的な英単語や英文法は一通りマスターしたが、英文がどうも正しく読解できていない、という人に向いているでしょう。英文の構造を基礎から学べます。
また、解説は、頭から読むことを意識しており、読み進め方(読むプロセス)を重視しています。
◆入門英文解釈の技術70
桑原 信淑 (著)
英文の構造解説が中心の代表的な入門書です。
解説の文章量は比較的少ない一方、図解がしっかりなされています。
レイアウトが非常にまとまっていて見やすいです。
例題(70題)の方はインプット重視で学習し、演習(こちらも70題)の方は自力で取り組んでみると良いでしょう。
単語・文法学習と本格的なリーディングとの橋渡しをしてくれます。
大人のやり直し英語の勉強法③:実践面を鍛える
ここからは実践的な勉強に入ります。
英単語や文法等の基礎に自信がある人、あるいは大学受験からそれほど時間が経過していない人はここから入ってもよいでしょう。
リスニングの実践
リスニング学習の勉強法のメインはディクテーションとシャドーイングです。
特にリスニングは短時間でよいので集中して聞きます(注:英語の聞き流しは効果ありません)。
その上でどれだけ聞き取れるかチェックしてみましょう。
また聞き取れなかったものを中心に何度も自分でCD等の音声を再現してみます。
繰り返しになりますが、自分で発音できない音は聞き取れないからです。
次にやる作業がシャドーイングです。
CD等の音声と同時ではなく、タイミング的に少し遅れて音読していきます(影のようについていく感じです)。
英語の音声を通じて英語の語順や発想に慣れていけますし、リーディングやスピーキングでも威力を発揮します。
◆発音できれば聞き取れる! リスニング×スピーキングのトレーニング 基礎編
Z会
音声と動画(映像)を活用して、リスニングとスピーキングの両方の練習ができる画期的な教材です。
特に発音を重視しているところがポイントです。
英文自体は基本的なものを使いつつ、大学入試共通テストから英語検定・資格試験まで広く対応できる作りとなっています。
内容的にも、音声のポイントから実践演習まで網羅されていて、様々な学習者のニーズに応えてくれます。
大学受験用ですが、社会人のやり直し学習にもお勧めです。
リーディングの実践
リーディングの勉強では、とかく多読を通じて英語に慣れることばかりが主張されますが、それだけではありません。
むしろ英語のやり直し学習の場合は、精読を積み上げることをお勧めします(ここで先ほどの英文解釈の重要性を実感していただけるはずです)。
そして精読した英文を基にスラッシュリーディングとシャドーイングをしていきます。
スラッシュリーディングとは、適当に区切りながら、英語の語順のまま英文を読み進めていく技術です。
読みやすいところで、長く複雑な英文を区切っていきます。
また、それに合わせて日本語訳も区切ります。
区切りを入れる箇所としては、動詞の後(ただし主語が長い場合は動詞の前にも入れる)、接続詞や前置詞の前、不定詞や現在分詞・過去分詞の前、などといったところでしょうか。
具体的には、次のような感じです。
I was told/ by my father/ that I would not be allowed/ to live/ in New York.
(私は言われた/私の父に/わたしは許されないと/住むことを/ニューヨークに)
参考書にでてくる英文を、こんな風に区切ってゆっくり音読してみてください。
初めのうちは、その区切りごとに日本語訳を即座に思い浮かべてみます。
日本語を介さなくても内容をイメージできるようになったら、今度は先ほどのシャドーイングをします。
シャドーイングでは英語のリズムと内容のイメージだけで、日本語訳は介しません。
このスラッシュリーディングとシャドーイングを積み重ねることで頭から英文を読みこなしていけるようになります(英文を読むスピードが格段に上がります)。
◆入門英語長文問題精講
三浦淳一 (著)
大学受験用の問題集ですが、リーディングの基礎を学ぶにはちょうど良いと思います。
「入門」とありますが、英文は旧センター試験・共通テストレベルのものが並んでいます。
この本で特に注目すべきは解説です。英文にはSVOCの文型がふられ、解説も文法・解釈にしっかり言及しています。
音声は無料DLできますので是非シャドーイングをしてみてください。
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大人のやり直し英語の勉強法④:アウトプット編
独学でもできるアウトプットの勉強法
アウトプットとはスピーキングとライティングを指します。
つまり自分が「使う英語」のことです。
「使う英語」であるスピーキングとライティングでは、自分で英語を運用していかなくてはなりません。
そこでは、リーディングやリスニングとは別に勉強する必要ができてきます。
リーディングの勉強がそのまま全てスピーキング等につながるわけではありません。
以下で独学でもできるアウトプットの勉強法について挙げておきます。
- 基本となる英文(例えば100~300くらい)をインプットする
- 日常生活を通じてインプットした英文を繰り返し口に出してみる(応用してみる)
- 英語で日記をつける
インプットがなければ、会話では片言の言葉しか出てきませんし、ライティングでも基本的なものすら満足に書けません。
スピーキングにせよライティングにせよ、最低限のインプットは不可欠です。
ただしそのインプットとは実に基本的なもので、中学英語レベルのものが中心となります(だからこそ中学英語を疎かにできません)。
そのインプットが固まった上で、今度は実践していきます。
インプットしたフレーズを繰り返し使ってみて、自分の使う表現として定着させるのです。
さらに、もう一つアウトプットをする際に大切なことがあります(特にスピーキング)。
それは、知っているやさしい英語を用いて、ゆっくり、かつ、はっきりと相手に伝えていく、ということです。
ここで無理してネイティブの真似をしようとすると、単語を適当にツギハギした片言英語で終わってしまいます。
◆どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
ベレ出版 森沢 洋介 (著)
受験英語が馴染めなかったという人も、安心して取り組めます。
中学レベルの英語を駆使して知識を実践レベルに引き上げてくれます。
とにかく瞬発的に口に出す訓練をしていくのです。
私は受験英語が大切な基礎を与えてくれると考えていますが、それがどうしても受け入れられない、納得いかないという人は、これで頑張ってみるとよいと思います。
◆キクタン英会話【基礎編】
アルク 一杉 武史 (著)
日常生活、会社、旅先などを想定したフレーズが並んでいます。
これらを中学レベルの単語1000語を用いて1日8フレーズ、20日かけてマスターします(合計160フレーズ)。
短いフレーズから段階的に勉強していきますので、無理なく日常会話ができるようになります。
本格的な英語のテキストではないですが、中学英語を用いて何とか会話ができるようにしたい人向けの参考書といえます。
ライティングの勉強は意外と有効
意外に思われるかもしれませんが、英作文の訓練は、スピーキングの訓練にも役立ってきます。
音声を直接介してはいないものの、能動的に英語を運用する(英語を自分で作る)という訓練をしているからです(例えば英語で日記をつけることなど)。
受け身になりがちなインプット知識を実践できるレベルへと引き上げてくれます。
スピーキングの訓練をあまりしていなくても(ペラペラではないものの)内容の濃い、しっかりとした英語を話せる方がいます。
使う英語は基本的なもので、話し方もゆっくりですが、教養のあるネイティブ達と渡り合えるレベルです。
こういう方々はライティング(論文等の執筆を含む)を通じて英語運用能力を習得していることが多いです。
なお、このライティングの勉強も、実は大学受験での英作文の勉強が大変有効ですし、これが結果的にスピーキングにつながっていきます。
◆ドラゴン・イングリッシュ基本英文100
講談社 竹岡 広信 (著)
大学受験の(特に英作文用の)参考書として定番中の定番ですが、社会人のやり直し学習としても使われています。
英文数が100文と限定されていますが、解説は非常に充実しています。
時制と論理に重点が置かれており、英語による思考を学べます(先の2冊よりも本格的です)。
また必要最小限ながらも、かなり広範囲に応用できます。
こういったものを先ず完璧にインプットして、アウトプットで自由に使いこなせるようにしていきます。
◆大学入試英作文ハイパートレーニング和文英訳編
ピアソン桐原 大矢 復 (著)
中学レベルからスタートできるので、英語が苦手という人も取り組みやすいと思います。
演習問題もついており、インプットと同時に基本的な英作文のアウトプットもできます。
また、英作文の視点から英文法を確認することもできます。
スピーキングの基礎にも十分なるのではないでしょうか。
こちらも「ドラゴン・イングリッシュ基本英文100」と並ぶ定番ものです。
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まとめ
「大人のやり直し英語」の勉強法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
要点をまとめますと
- 中学英語が土台である
- その上で英単語・英文法・英文解釈を強化する
- 発音・音声学習を重視する
- 実践的な勉強でも音読は重要
- アウトプットには基本的な英文のインプットが不可欠
ご覧の通り、実は大学受験等の勉強と基本はそれほど違いません。
結局、こうしたことの積み重ねが、(誰もが)英語を上達していける王道といえます。
この上でTOEIC対策やスクーリング等の活用をしていくのです。
とにかく今日では、目的やレベルにかかわらず、様々な教材や勉強手段は出回っており、これらの活用次第で英語は十分上達していけます。
ですので、これまでの内容を是非参考にしていただき、各人の目標を実現してもらいたいと思います。