英作文の勉強法と上達のコツを徹底解説!【社会人のやり直しもOK】

英作文は英語学習の中でも苦手になりやすい分野です。

しかも勉強法自体に難しいところもあって、なかなか上手く書けるようになりません。

先ずは少し学習現場を覗いてみましょう。

生徒A君

英作文って書けそうで書けないなぁ。

tomoi先生

読む英語と書く英語は違います。読む英語の感覚で書くとメチャクチャになっちゃうよ。

生徒Bさん

私なんか、英作文の参考書で勉強して添削も受けてるけど点数イマイチ😢

tomoi先生

厳しいこと言うようだけど、ホントに正しく勉強しているのかな?ただ英文覚えて、英作文書いて添削受けても上達しないよ!

生徒Bさん

そういえば、私の書いた英文なんて、添削後は影も形も残ってないような…まるで別の英文になっているの。

tomoi先生

勉強のカタチではなく、その中身が大事ですよ。

tomoi先生、少し厳し過ぎたでしょうか。

確かに英作文の勉強って、「インプットと添削!」と呪文のように言われますよね。

もちろん間違ってはいないのですが、実は上達するには勉強のさらなるコツがあるのです。

ここでは、英作文の上達に結びつく真に正しい勉強法とそのコツをお伝えしていきます。

この記事でわかること
  • 英作文の種類
  • 英作文の勉強法と上達のコツ
  • 添削の効果を高めるコツ
  • 自由英作文の勉強法
目次

英作文の種類

英作文には、和文英訳と自由英作文があります。

和文英訳とは、与えられた日本語を英語に訳していくものです。

通常、英作文の勉強と言えば、こちらを指します。
この記事でもこちらの勉強法が中心となります。

自由英作文は特定のテーマが与えられて、それについて文章を英文で自由に書いていくものです。
自分の考えを理由とともに書いたり、賛成か反対かを述べたりします。

自由英作文では、英文自体(表現自体)は自由に選べるので、全体の論理の流れと構成の仕方が、特に大切になってきます。


以下では和文英訳を中心に解説し、その後で自由英作文にも言及していきます。

英作文は先ずは6割を目指す

英作文では当然ながら、ゼロから自分で英語を作りだしていかなければなりません。

ネイティブでない私たちにとって、これは一見やさしいようで実は大変難しいことです。

ですから、英作文は簡単にはいかない、リーディングとは別に勉強や練習が必要である、と認識すべきです。

その上で先ずは6割を目指すのです。

具体的には、大きな文法的な誤りを回避しつつ、英語の発想に基づき、なんとか相手に内容を伝えられる、これを目指します。

そしてこのことを確実に実現するために、英作文の学習においては平易な英語表現を用いて簡潔に書くことを心掛けていくのです(高1レベルで基本的にOK)。

英作文の勉強法には3つのステップがある

英作文の勉強は次の3つステップからなります。

STEP
基本的な例文の暗記(インプット)
STEP
自分で書く練習(アウトプット)
STEP
添削と復習

ここでは、概要について簡単にコメントします。(各ステップにおける勉強のコツは、後で解説します。)

まず、自分が使う英語として基本的な例文を100~300ほど暗記します(インプット用の参考書を1冊決めて、それに特化して覚えていけばよいでしょう)。

そして、その次の段階として今度は演習書等で200問ほど自分で英文を書いてみます。
ここでは、とにかく自分で考えながら書くこと、そしてそれを繰り返すことが重要です。

また、書いた英文はできれば第三者に添削してもらうとよいでしょう。

模範解答と自分の英文が同じとは限らず、その自分の書いた英文が適切であるか否かは、なかなか自分では判断できないからです。

あと、添削された英文は、しっかり復習のうえ添削後の英文をインプットしていきましょう(やってやりっぱなしでは添削の意味がありません)。

英作文の具体的な勉強法と上達のコツ

具体的に勉強する際のコツを、先にまとめておきます。

  1. 時制等の文法、原因・結果等の論理、英語特有の表現に留意する
  2. 演習では、和文和訳したうえで自分が知っているやさしい英語表現を借用する
  3. 自分の英訳と模範解答が異なる場合は、模範解答をそのままインプットする
  4. 添削を効果的に活用する

英作文のインプットのコツ


インプットのコツを解説します。

先ずは例文を暗記するのですが、ただ例文を暗記しても適切に使えるとは限りません。

時制をはじめとする基本的な文法や、原因・結果等の論理に注意を払いながらインプットしていくのです。

例えば、時制については、日本語が現在形のように見えても、現実の特定の場面なのか、現在の習慣なのか、仮定の話なのか、はたまた未来の話なのか、をよく検討します。

It is dangerous to swim in this river.(この川で泳ぐのは危険だ。)
この構文(It is ~to do~)は、仮定(もしくは未来)を表しています。

ニュアンス的には「もし誰かがこの川で泳いだとしたら、それは危険です」といった感じです。
具体的に誰かが泳いでいるわけではありません。

また、原因と結果を明確にした表現としては、

The rain caused the river to overflow.(雨が原因で川があふれた。)

などが挙げられます。

原因を主語で表すことで、原因と結果の因果関係を明確にしていきます。
英語らしい論理的な表現と言えましょう。英作文でもよく使われます。

インプットの段階からこうした時制や論理、英語特有の表現を意識していきましょう。

英作文のアウトプットのコツ

知っているやさしい英語をあてはめる(和文和訳と英借文)

和文英訳の問題を実際に自分で英語に訳してみます。
ここが英作文の勉強の中心になります。

ここでの最初のコツは、

問題文で与えられた日本文を、できるだけやさしい日本語に変換すること、いわゆる和文和訳です。

例えば「最近は自宅で仕事をする人が増えている」といった日本文に対しては、先のインプット型の勉強(例文暗記)だけでもなんとか対応できるかもしれません。

ところが「年功序列」などという日本語が出てきたとき、どう対処しますか。

the seniority systemを知っていればよいのですが、知らなければ、これを表すやさしい日本語に言い換えるしかありません。

例えば「長く働けば働くほど、昇進できる社会」などとしていくのです。
すると、the longer you continue to work, the higher position you get などの構文が何とかでてくるでしょう。

つまり先ずは確実に英語にできそうな、やさしい日本語にいったん変換するのです。
そしてそこに知っている英語表現を当てていけばよいのです。(いわゆる英借文です。)

難しそうな日本語が出てきても、それをそのまま英語に直訳しようとしてはいけません。

自分が知っているやさしい英語表現が使えそうか考えるのです。
そのための和文和訳です。

自分の書いた英文と模範解答が異なるときはどうすべきか

ところで、演習をやってみるとわかるのですが、自分で書いた英文と模範解答が同じであるとは限りません。

特に全く違う場合などは自分が書いた英訳ではダメなのか?」といった疑問が生じてきます。

そこで、こうした場合の対策として次の二つのやり方が考えられます。

  • 添削を受け、その添削された英文をインプットしていくやり方
  • 取り組んでいる演習書の解説を十分に読み、模範解答をインプットしていくやり方

です。

結論としては、この二つのやり方を適宜使い分けていくのが効果的といえます。


先ず、英作文の実力が多少なりとも備わっている人は、是非、前者のやり方、つまり添削を受けてみてください。

他方、添削後は、自分の書いた英文の痕跡は殆どなく、全く別の英文になってしまう人(冒頭の生徒Bさんです)は注意が必要です(通常、初心者はそうなるはずです)。

このような人には、後者の演習書の模範解答をインプットしていくやり方を勧めます。
添削を受けられない人も同様です。

この後者のやり方では、(不備な点や不自然な点は残るものの)大きな文法的な誤りを回避しつつ、日本文の内容をなんとか伝えられるようになるまで練習を繰り返すのです。

先ほどの6割を目指すというのは、この最低ラインを指します。

具体的には、英作文の演習題を200問ほど3周してみてください。

これまで述べたことを念頭に、知識を総動員して考え抜きながら試行錯誤するのです(その上で模範解答をインプットしていきます)。

この練習を徹底的に繰り返すことで(添削を受けなくても)概ね最低ラインである6割の出来には到達するはずです。

英作文の添削の効果を格段に高めるコツ

先ほど、6割の出来を目指すようにと言いました。

実は、第三者からの添削が本当に意味を持ってくるのは、このレベルに到達してからです。

添削は、それなりのたたき台となり得るような英文に対して意味を持ってきます。
言い換えると、多少なりとも改善すれば完成に近づける、と添削者に思わせるようなレベルです。

ところが、添削後、全く別の英文になってしまうような段階で(つまり英作文の土台ができていない段階で)添削後の英文を覚えても、参考書の解答の英文を覚えていくのと殆ど変わりません。

それならば、自分が取り組んでいる参考書の解説をしっかりと読み、模範解答を暗記していったほうが、はるかに効果的といえます(こっちの方が網羅的かつ体系的にも学べます)。

真に実力のある英語講師は、この現実を知っています。

ですので、初めのうちは参考書での書く訓練を徹底的に繰り返し、先ずは6割を目指していきましょう。

その後、添削を受けてみるのです。
添削の効果が格段に違ってくるはずです。

なお、添削を受ける段階になったら、参考書の解説等は参考にとどめ、添削後の英文をインプットしていきます

自由英作文の勉強法

自由英作文について簡単に解説しておきます。

現在、自由英作文の出題頻度は高くなってきています。
したがって、しっかりと対策をしておく必要があります。

ただ、大学入試レベルに関して言えば、自由英作文特有の対策は難しいものではありません。
文章の全体の構成と接続詞の使い方を中心に対策をしておけばよいでしょう。

具体的にはやはり1冊参考書を決めて取り組めばよいかと思います。

パターンとしては

  • 自分の意見や考えを、理由や具体例とともに述べさせるもの
  • 賛否を問うもの

などです。

以下で、それぞれの構成パターン例を示しておきます。
いずれも結論を最初にもってくることが一番重要です。

パターン1の構成
  1. 結論:自分の意見
  2. 根拠
  3. 具体例
  4. 結論(自分の意見を結論として再度書く)

この構成のポイントは、結論→根拠→具体例→結論という流れです。

パターン2の構成
  1. 結論:賛成(または反対)の立場の明確化
  2. 相手側への譲歩
  3. それに対する反論、打消し
  4. 結論(自分の賛否の立場を再度書く)

この構成のコツは、譲歩構文(It is true that ~. However:たしかに~だ。しかし…)を上手く活用していくことです。
前半でとりあえず、相手の意見等を認めつつ、それに反論する自分の主張を展開するのです(赤字部分)。


自由英作文は100字など字数が決まっています。

100字というと多く見えますが、やってみると案外あっという間に埋まってしまう感じです。

また、上の例のように構成バターンがある程度決まっていますので、それに従って構成(下書き)の練習を積み重ねることが大切です。

さらに自由英作文は基本的に減点法で採点されます。
ですから減点をいかに少なくするかも大切になってきます。

他方、書いた内容そのものについてはあまり問われないようです。

自由英作文において気を付けるべき点を整理しておきます。

  1. 結論を最初に述べる(また最後も結論で締めくくる)
  2. 設問に対して直接答える(例:賛否を問われているときは、先ずどちらの立場かを明確にする)
  3. 論理構成がしっかりしているか(例:譲歩構文の使い方)
  4. 字数制限などのルールを守っているか
  5. 文法ミスがないか
  6. スペルミスがないか

結局(和文英訳でも同じことですが)やさしい英語を用いて論理矛盾なく、簡潔に内容を相手に伝えられるか、がポイントになります。

英作文の勉強法まとめ

ここまで英作文の勉強法を中心に解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

和文英訳の勉強では、やさしい英語を用いて確実に内容を伝えることを心がけます。

具体的な勉強は、インプット(英文暗唱)とアウトプット(実践演習)、そして添削です。

特にアウトプットでは、与えられた日本文を自分の知っているやさしい英語に置き換えていくことが大切です。

最初は上手く書けなくても、とにかく自分で繰り返し書いて練習していきましょう。
先ずは6割を目指すのです。添削はその辺りを踏まえて受けるのが効果的です。

自由英作文では、全体の構成を中心に基本的なことを勉強していけばよいでしょう。


以上の内容を参考にしていただき、ぜひ英作文を得意にしてもらいたいと思います。

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